欧州遠征最終戦は、3時間をかけて、ローマからバスでナポリよりさらに南のサレルノに移動、1995年までサレルニターナが使っていた第2スタジアムで、カンパニア州選抜チームと対戦した。
イタリアらしい古風なスタジアムで、芝生は最高で最終戦にふさわしい環境であった。
当然のことながら、勝ちにこだわりをもってゲームに挑んだ。 疲労の蓄積は激しく、前半立ち上がり、全く体の切れがない。右サイドDF背後からピンチを何度も招く。攻撃も歯車があわずリズムをつかめない。12分、右サイドを突破され、先制点を許すが、五十嵐が15分に技ありのループシュートを決め、同点に追いついた。これでリズムをつかめるかと思うと、19分に右サイドDFとGKの判断ミスにより、肩をおとす失点をしてしまう。チーム全体を考えると、重く苦しい雰囲気を与える、最悪のプレーであった。しかし、メンバーチェンジ後、体の重さも少しずつとれ、本来の駿台のパスワークが戻り、チャンスを作りはじめた。2度の決定的な場面をはずしたものの、33分に吉沢が左足で同点ゴールを決め、前半を2−2で終えた。
声をかけあい、ミスを少なくという単純なアドバイスのみで後半を迎えると、立ち上がりこそは相手にボールを保持される時間が続いたが、中盤が安定し、左右、中央とリズムあるプレーが生き、後半18分、藤原が得たPKを松村が落ち着いて決め、リード。27分にはサイドチェンジから松村、市原の連係で市原が欧州初ゴールとなる4点目をとると、トップに上がった成田が、藤原からのセンターリングをボレーで5点目。更に、途中出場の畠山が、松村からの絶妙なボールを豪快に決め、6−2の快勝で最後を飾った。相手チームは高い個人技術をもっていながら、コンビネーション、体力に問題があったようだ。
今回の遠征を振り返って、選手権に向けて、肉体的・精神的に、そして技術・戦術においても、すばらしい学習ができたと大満足している。日本へ帰国後、最終予選のリーグ戦を想定し、メンバー、システム等の確認をおこない、結果へと結びつけたい。
1・2年生チームも、今回の貴重な経験を将来の自分たちのチームに結びつけるべく、帰国後の合宿に大きく生かしてほしい。
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